TOKUSHIMA UNIVERSITY Digital Fabrication PROJECT
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“テクノお七”

勘緑・木偶舎+高橋久美子+平本正宏, 創作公演2016

伝統をメイクプロジェクトで3Dプリンターからお七が生まれたことが発端となり、作られたオリジナル公演作品。人形遣いの勘緑氏、作家・作詞家の高橋久美子氏、作曲家の平本正宏氏の合作により、3Dプリンターの浄瑠璃人形を遣った初めての物語が誕生しました。

“3Dプリンターによるプラスチックの人形を操るには 義太夫節のお七の曲では、その特性を活かすことが不充分であると考え、以前から交友のあった詩人であり、絵本作家でもある執筆家の高橋久美子氏に協力を求め、現代の”お七”を描く脚本をお願いしました。都会で暮らす若い女性の日常を、高橋氏のシニカルかつポップなタッチの朗読と音楽を平本正宏氏のピアノでお七の繊細な故に生きづらい日々をポジティブな響きで、現代生活へのメッセージ活劇としました。人形は従来の古典的な振り付けを排除し 脚本・音楽との相互に影響しあうセッションでのインプロビゼーションによる振り付けとしました。この演出法はその後のこのプロジェクトで作られていくいくつかの作品に引き継がれていく基礎となりました。” (文:勘緑)

“3Dプリンタで浄瑠璃人形を作ると聞き、これまで人形浄瑠璃でもよく上演されてきた、「八百屋お七」を現代版に書いたら面白いかもしれないというこということになった。
古典と同じように物語を追うのでなく、感情を抑えられずついに市中に火を放ってしまったお七の思いを、現代を生きる女性の感情とリンクさせ、感覚で胸に強く刺さるものが作りたかった。現代音楽を得意とする作曲家の平本正宏氏に音楽を依頼し、テクノ音楽を制作してもらい、そこにラップ調の朗読を乗せ、機械から生まれたお七の悲痛さも重なりあった現代芸術作品となった。平本氏が「きっとこのお七人形が生まれてくるとき聞いたであろう機械音を音楽に織り込んだ」と話していたのが印象的だった。振り切った作品にしなければ、3Dプリンタから生まれた人形と数百年受け継がれてきた古典の人形を比べるのはその存在の意味が違うと思った。せっかく生まれてきた人形に命を吹き込むべく、アバンギャルドで無二の表現を目指した。上演の度に演者の衝動も加味され、変容し完成されない様は正に現代社会を象徴していると感じる。”(文:高橋久美子)

News

PROJECT MEMBERS CREDIT

  • [人形]お七
  • [人形遣い]勘緑・木偶舎
  • [作詞]高橋久美子(作家・作詞家)
  • [朗読]高橋久美子(作家・作詞家)
  • [音楽]平本正宏(作曲家)

“バイトの女”

勘緑・木偶舎+高橋久美子+平本正宏, 創作公演2017

2017年11月19日、徳島大学に初めて生まれた人形座「徳島大学A.BA座」の立ち上げを記念して行われた「浄瑠璃フューチャーシアター」。人形遣いの勘緑氏、作家・作詞家高橋久美子氏、作曲家平本正宏氏が3Dプリンターで作られた浄瑠璃人形を主題とした新作舞台を披露することになりました。「バイトの女」は、この舞台に合わせて作家・作詞家の高橋久美子氏がお七のために書き下ろした小作品です。静かな音色に乗せてロープウェイでチケットもぎりをするバイトの女お七の仕事や恋の悩みが吐露されていきます。

“同じ動作、言葉を繰り返す中で、人形の佇まいと表現がどのように変わっていくのだろうかと実験がしてみたくて作った作品。物語はほとんど独り言で、本来の人形浄瑠璃とは対局の構成である。終始ポエジーであり、心の動きだけで構成される。狙いとしては、表情の変わらない人形に、人形遣い達の鍛錬された動きと、音楽、言葉の抑揚だけで、観客に感情移入させられるかということだ。こちらも大学の講義用に書き下ろした。現代社会の歪みをテーマにしているが、それは江戸時代から続く普遍的な葛藤であるに違いない。自分の気持と向き合うこと、自分がどのような道を進み、どのような人間になりたいのか、自問自答し続けるバイトの女は正に学生たちそのものである。一見派手さはないが、いろいろな演目を披露する中で、女子学生たちに人気が高かったのは本演目だった。” (文:高橋久美子)

News

  • ■2017年11月19日
    「徳島大学A.BA座浄瑠璃フューチャーシアター -3Dプリンタでつくった浄瑠璃人形とお七とお鶴の新作舞台-」で上演されました。
    https://www.tokushima-u.ac.jp/docs/2017120500011/
  • ■2017年11月20日
    徳島新聞に「徳島大学A.BA座浄瑠璃フューチャーシアター -3Dプリンタでつくった浄瑠璃人形とお七とお鶴の新作舞台-」の取り組みが掲載されました。
  • ■2020年6月1日
    Youtubeで「バイトの女」公開

PROJECT MEMBERS CREDIT

  • [人形]お七
  • [人形遣い]勘緑・木偶舎
  • [作詞]高橋久美子(作家・作詞家)
  • [朗読]高橋久美子(作家・作詞家)
  • [音楽]平本正宏(作曲家)

“インスタ少女”

勘緑・木偶舎+高橋久美子+平本正宏, 創作公演2017

インスタ少女

2017年11月19日、徳島大学に初めて生まれた人形座「徳島大学A.BA座」の立ち上げを記念して行われた「浄瑠璃フューチャーシアター」。人形遣いの勘緑氏、作家・作詞家高橋久美子氏、作曲家平本正宏氏が3Dプリンターで作られた浄瑠璃人形を主題とした新作舞台を披露することになりました。「インスタ少女」は、この舞台に合わせて作家・作詞家の高橋久美子氏がお鶴のために書き下ろした小作品です。

“浄瑠璃人形が着物を着たまま、スマホを片手にうろうろする不思議な光景から始まる物語。近所を散歩しいわゆる「ばえる」ものを撮影しながらインスタにアップする。投稿した写真に「いいね」が着くたびに無邪気に喜んでいる少女だったが、めずらしい蝶々の写真を投稿したところから物語が急展開する。この作品は徳島大学での講義の中で上演することが決まり書き下ろした作品である。現代社会への風刺の意味を込めているが、若い人達に人形を通して考えてほしいと思った。人間ではなく人形が演じることで、よりリアルに嫌味なく伝えることができる面白さがある。SNSへ熱中しすぎる滑稽さや本当に大切なものが何かを考えながら生きてほしいと願いながら書いた作品。” (文:高橋久美子)

News

  • ■2017年11月19日
    「徳島大学A.BA座浄瑠璃フューチャーシアター -3Dプリンタでつくった浄瑠璃人形とお七とお鶴の新作舞台-」で上演されました。
    https://www.tokushima-u.ac.jp/docs/2017120500011/
  • ■2017年11月20日
    徳島新聞に「徳島大学A.BA座浄瑠璃フューチャーシアター -3Dプリンタでつくった浄瑠璃人形とお七とお鶴の新作舞台-」の取り組みが掲載されました。
  • ■2018年5月9日
    徳島大学教養教育院授業「異文化交流から学ぶグローバル化」と「日本事情III」で実施した講座「創作人形浄瑠璃から学ぶ表現の面白さ!」初回に上演され、伝統をメイクのお鶴が遣われました。
    https://www.tokushima-u.ac.jp/cr/docs/2018062500039/
  • ■2020年6月1日
    Youtubeで「インスタ少女」公開

PROJECT MEMBERS CREDIT

  • [人形]お鶴
  • [人形遣い]勘緑・木偶舎
  • [作詞]高橋久美子(作家・作詞家)
  • [朗読]高橋久美子(作家・作詞家)
  • [音楽]平本正宏(作曲家)

“A.BA座Kids”

勘緑・木偶舎+徳島大学A.BA座,ふれあい2017-2018

阿波(徳島)の浄瑠璃人形は、屋外で演じられることが多いことから、遠くからでも目立つように大柄に作られることが多いそうです。人形を遣う時に、腕に人形の重量がそのままかかってくることから、できるだけ軽くする工夫として桐の木などの素材が使われてきました。

プラスチック素材の浄瑠璃人形は、木の素材よりも軽く、サイズも自在に変えることができるため、遣い手の腕にかかる負担をより一層軽減できます。人形を初めて遣う人や子供などにとって、浄瑠璃人形との距離を縮めるツールとして役立てられるのではないかと私たちは考えました。

私たちは、まず創作人形浄瑠璃に興味のある子供たちを徳島大学A.BA座に招き、子供が遣いやすいサイズで設計したお鶴と触れ合う機会をつくりました。人形遣いの勘緑さんにお鶴の遣い方を教えていただくと、3体のお鶴はあっという間に子供たちの虜となりました。じゃんけんをしたり、追いかけっこをしたり、冗談を言い合ったり。三人遣いにも取り組むことができました。子供たちが早期から浄瑠璃人形にふれあうことで、自分たちの感情を表現する身近な存在として親しまれていく兆しが見えたように思います。

その後、徳島大学A.BA座の学生が徳大ファーマーズマーケットなどのイベントでお鶴のふれあい体験を企画・実施してきました。今後、子供たちから彼らならではの感情表現や仕草のお芝居が生まれてくることを期待していきたいです。

PROJECT MEMBERS CREDIT

  • [人形]お鶴
  • [講師]勘緑・木偶舎、徳島大学A.BA座
  • [コーディネーター]笹尾知世(徳島大学)

“伝統をメイク〜創作人形浄瑠璃に学ぶ表現の面白さ!〜”

勘緑・木偶舎+高橋久美子+平本正宏, 創作授業2018

歴史と伝統を受け継ぎながら、斬新な発想で現代の物語を紡ぎ、創作人形浄瑠璃という新たなジャンルに挑戦する、人形遣い師の勘緑氏、作詞家で作家でもある高橋久美子氏、作曲家の平本正宏氏。2018年、徳島大学の日本人学生と留学生に向けて、人形浄瑠璃を通じて表現の面白さを伝える授業に初めて取り組みました。8コマの授業の中で、音楽・言葉・人形という三方向からの表現がどのように絡み合い一つの世界を作っているかを紐解いていくプログラム。大学生が自分たちにも人形浄瑠璃で新しい表現ができるという驚きと発見を呼び覚ます、新感覚の授業を目指しました。

プログラム

講師の3人がそれぞれ大事にしている表現を入れ替わり教えながら、大学生も実際に手を動かして詩を書いたり音楽を作ったり人形を遣う挑戦をします。最終日に、チームで作った作品を発表。講評会を行いました。喜劇、悲劇、SF、サスペンス、ミュージカル、ダンスなど、これまでの人形浄瑠璃表現の枠にとらわれない詩、音楽、動きで構成された自由でのびのびとした作品が生まれ、大学生たちの演技にも熱がこもりました。

「創作人形浄瑠璃にふれてみる」 勘緑、高橋、平本
現代社会を描いた創作人形浄瑠璃の上演と学生とのコラボレーションで即興創作。

「人形芝居ってオモロイ」 勘緑
人形と人間の芝居の違い、三人遣いの秘技を伝授します。

「日記を詩にしてみよう」 高橋
半径5メートルの世界こそ詩にしたときリアリティーの光を放ちます。ただ、日記ではつまらない。日記をどう詩にするかを伝授します。あなたの個性をそのまま詩にする講座です。

「コテコテ古典とザンシン新作」 勘緑
目からウロコの表現方法。自分の本心を人形に託して表現します。

「表現〜相手に伝えるということ〜」 高橋、平本
班に分かれて、詩を作ってみよう。テーマを決めて、人形や音楽もイメージしながらそれぞれの世界観で言葉を作り動かしてみよう。

「動かしてみよう」 勘緑
創作音楽人形芝居に参加するのだ。

「詩を朗読してみよう」 高橋
作った詩を朗読してみよう。詩を実際声に出すことで、言葉は形を変え音となり耳から伝わっていきます。また、様々な朗読方法で表現の幅を広げます。

「音楽で感動を広げる 発表会」 勘緑、高橋、平本

授業を通して7つの学生チームが作品を発表しました。

  • ●「幸せを呼ぶ黄色いちょうちょ」チームふくろう
    新たな大学生生活のはじまりから徐々に日常になじむ変化をちょうちょの現れで表現。
  • ●「マリオネットDX」 チームMUSICIANS
    サックスとの共演。
  • ●「ネックレスの話」 チームBBB
    ネックレスにまつわる奇妙で本気な恋の話。
  • ●「I love her」チームAMEGAKIRAI
    恋心が徐々にミステリーへと変わっていく狂気の作品。
  • ●「とあるスーパーの店員の物語」 チーム異文化戦隊7レンジャーズ
    スーパー店員から宇宙戦争へとつながる壮大なスペクタクル。
  • ●「はじめてのダンスパーティ」 チーム陰キャが背伸びしてみた
    人と人間がダンスバトルを繰り広げる。
  • ●「たび」 チームグローバル
    徳島に来た留学生が体験した奇妙で面白い日常を詳細に再現。

PROJECT MEMBERS CREDIT

  • [主催]徳島大学地域創生センター(現・人と地域共創センター)・徳島大学教養教育院
  • [講師]勘緑(木偶舎)、高橋久美子(作詞家・作家)・平本正宏(作曲家)
  • [授業協力]三隅Gehrtz友子(徳島大学)・大橋眞(徳島大学)
  • [出演協力]徳島大学A.BA座、木偶舎
  • [コーディネーター]笹尾知世(徳島大学)・浮田浩行(徳島大学)

“お鶴twins”

勘緑・木偶舎+高橋久美子+平本正宏+徳島大学A.BA座, 創作公演2018

2018年6月27日、徳島大学教養教育院授業「異文化交流から学ぶグローバル化」と「日本事情III」で実施した講座「創作人形浄瑠璃から学ぶ表現の面白さ!」最終日に、講師として学生たちに様々な表現の魅力を教えてきた、人形遣いの勘緑氏、作家・作詞家高橋久美子氏、作曲家平本正宏氏が、この時のために用意したオリジナルの作品を学生たちの前で初上演しました。「お鶴twins」と名付けられたこの作品は、3Dプリンターでつくった2体のお鶴を双子の姉妹に見立て、勢いのある掛け合いが繰り広げられます。最後は会場全体が盛り上がり、感動のフィナーレとなりました。

“学生の練習用にと徳島大学で新たに浄瑠璃人形が作られたと知った。3Dプリンタから誕生した二体のお鶴人形は、どこからどう見ても同じ形をしている。これは、双子という設定で物語を書いてみると面白いかもしれないと思い、すぐに脚本にとりかかった。江戸時代と現代とをごちゃまぜにしたコメディー。双子で恋人を取り合うという、テレビドラマでも見たことのあるお馴染みの話だ。口論になって喧嘩をするシーン、お互いを見つめ合い同じ動作をするなど、パントマイムの要素も取り入れた。
人形浄瑠璃というとシリアスな物語が多いイメージだが、前半は思いっきりブラックコメディーに。しかし後半では、3Dプリンタで生まれたという切ない生い立ちを互いに慰め合い、「世界にたった一人のあなたよ。変わりなんていない」と言い合う。この作品は、授業の最終日、学生達の作品発表会の最後に上演する演目として作ったので、学生たちへのメッセージとしてこの台詞を入れた。そして恋人ももう一体3Dプリンタで作ってもらおうというシュールなオチで終わる。最後には、ずっとおとなしかった学生たちも一緒に踊ったりするくらいに、心が開放されていた。人形の動きが大きく明るい内容なので、みんなの心を開く効果があったのではないかなと思う。入り口として非常に馴染みやすい作品だ。” (文:高橋久美子)

News

  • ■2018年6月27日
    徳島大学教養教育院授業「異文化交流から学ぶグローバル化」と「日本事情III」で実施した講座「創作人形浄瑠璃から学ぶ表現の面白さ!」最終日に上演されました。
    https://www.tokushima-u.ac.jp/cr/docs/2018062500039/
  • ■2020年6月1日
    Youtubeで「お鶴twins」公開

PROJECT MEMBERS CREDIT

  • [人形]お鶴
  • [人形遣い]勘緑・木偶舎、河野あさな(徳島大学A.BA座)・大霜晶子(徳島大学A.BA座)・増田花鈴(徳島大学A.BA座)
  • [作詞]高橋久美子(作家・作詞家)
  • [朗読]高橋久美子(作家・作詞家)
  • [音楽]平本正宏(作曲家)

“阿波姫物語”

徳島大学A.BA座+勘緑・木偶舎, 創作公演2018

徳島大学生が集まり課外活動として創作人形浄瑠璃に取り組む徳島大学A.BA座では、初の創作公演として、2018年12月、阿波姫物語という小作品を発表しました。

徳島大学A.BA座の初作品は、幅広い年代の方々に関心を持っていただけるようなストーリーにしたいと考えていました。公演は、大人から子供まで様々な年齢層の人が訪れる徳大ファーマーズマーケットというイベントで行えることが決まったため、そこに訪れる人に興味を持ってもらえる物語作りを試みました。

話し合いの末、子供たちにも前提知識のあるストーリーであれば、興味を持って観てもらうきっかけになるのでは?ということで、知名度が高く、公開から数年たった今もなお人気が衰えることのないディズニーの「アナと雪の女王」をモデルに物語を描くことが決まりました。そこから3Dプリンターで作ったお鶴と伝統的な子供の浄瑠璃人形で姉妹の絆を描く新たなお話が生み出されることになります。

ちびっ子たちにはあまり馴染みのない人形浄瑠璃を、共感しやすいストーリーを通して観てもらうことでより身近に感じてもらいたい、そんな思いで演じた初公演。公演後には多くの子供たちがお鶴に駆け寄り興味を持ってもらうことができました。まずは浄瑠璃人形と触れ合う機会を作れたことが、徳島大学A.BA座の活動のファースト・ステップとなりました。

News

  • ■2018年9月19日
    NHK徳島 とく6徳島「人形浄瑠璃に新たな風を」で徳島大学A.BA座の練習風景が放映されました。
  • ■2018年10月11日
    NHKワールド「Puppets Get Tech Update」で徳島大学A.BA座の練習風景が放映されました。
  • ■2018年12月15日
    徳大ファーマーズマーケットにて阿波姫物語を上演しました。

PROJECT MEMBERS CREDIT

  • [人形]お鶴
  • [人形遣い]増田花鈴(徳島大学A.BA座)・大霜晶子(徳島大学A.BA座)・河野太樹(徳島大学A.BA座)・勘緑(木偶舎)
  • [作詞]河野あさな(徳島大学A.BA座)
  • [朗読]河野あさな(徳島大学A.BA座)
  • [音楽]河野あさな(徳島大学A.BA座)
  • [演出]KaDang(徳島大学A.BA座)
  • [演技・演出指導]勘緑(木偶舎)
  • [作詞・作曲アドバイス]高橋久美子(作家・作詞家)・平本正宏(作曲家)
  • [コーディネーター]笹尾知世(徳島大学)

“大学生A”

徳島大学A.BA座, 創作映像作品2019-2020

伝統をメイクの活動に興味のある徳島大学生が集まって2018年に立ち上がった創作人形浄瑠璃クラブA.BA座。自分たちで物語を紡ぎ、登場人物を3Dデータから浄瑠璃人形として製作し、演じる一連の活動を展開しています。
彼らの2作目となるオリジナル作品は、大学生が主人公の物語です。日本のどこかにいる、とある大学生が夢と現実を行き来しながら未来への一歩を踏み出すまでの心の葛藤と成長を描きます。この物語は、徳島大学の留学生が徳島の自然にインスピレーションを受けて自身を重ねながら書き上げた小説『大学生A』を題材に製作を行いました。
タイトルやストーリーの中で主人公は匿名的です。観る人が男女問わず、年齢問わずそれぞれを重ね合わせながら主人公の気持ちの移り変わりを感じ取って欲しかったからです。その意図から、のちに初くんと名付けられる大学生Aの人形は見た目もあえて中性的に作りました。
参考:初くんの製作の過程

今回は初めての試みとして、舞台の公演ではなく、短い演技のカットをつないで作る映像作品を作り上げました。A.BA座の学生が映像監督を務め、プロの人形遣い集団「木偶舎」が初くんの演技を担当するという異色のコラボレーションが実現。今現在大学生の人はもちろんのこと、これから学生になる人、かつて学生だった人、これまで人形浄瑠璃に接点のなかった多くの人たちに、人形浄瑠璃を通して等身大の悩みを抱える主人公の葛藤を見届けていただきたい、そんな思いが込められています。

映像の中で演技をするということ

オリジナルの物語を人形の演技に結び付けていくためには、特に物語の作り手と人形の遣い手が丁寧にコミュニケーションを重ねることがとても大切です。今回は、一般的な舞台でのお芝居と異なり、たくさんのカットをつなぎ合わせて作る映像作品にすることから、シーンそれぞれのイメージを詳細に共有するために、物語の絵コンテを作成して演技のコミュニケーションの土台としました。

また、事前のリハーサルとして演技と撮影の練習を繰り返し行いました。人形を遣う時の特性を人形遣いから大学生が学び、監督である大学生の考えが人形遣いのメンバーに伝わるといった相互の理解が進んだことで、一段と物語にのめり込んだ人形の動きへとつなげることができました。

本番の撮影は、地元の映像撮影・制作会社D-PLANにご協力いただきました。夢や雨などの特殊な演出をどう再現するか、監督である大学生と一緒に考えて、撮影に臨みました。

News

PROJECT MEMBERS CREDIT

  • [原作小説] 「大学生A」KaDang(徳島大学A.BA座)

出演者

  • [大学生A:人形] 初くん
  • [人形遣い] 木偶舎
  • [声] 河野太樹(徳島大学A.BA座)
  • [あの子] 河野あさな(徳島大学A.BA座)
  • [友人1] 笹尾知世(徳島大学)
  • [友人2] 河野あさな (徳島大学A.BA座)
  • [大学教授] 河野太樹(徳島大学A.BA座)
  • [撮影] D-PLAN株式会社
  • [録音] D-PLAN株式会社
  • [編集] D-PLAN株式会社
  • [音楽] 「breakthrough」
  • [作詞・作曲・編曲・歌] 河野あさな(徳島大学A.BA座)
  • [BGM出典] peace-making 著作権フリーBGM配布サイト HURT RECORD/突貫 音楽配布サイト 音の園 hakodure
  • [効果音素材] ポケットサウンド
  • [美術] 河野太樹(徳島大学A.BA座)
  • [人形製作] 座河野あさな・河野太樹・KaDang・増田花鈴(徳島大学A.BA座)
  • [製作協力] 勘緑(木偶舎)・浮田浩行 (徳島大学)
  • [星空監修] 徳島大学アストロラーブ
  • [協賛] 徳島大学人と地域共創センター
  • [コーディネーター] 笹尾知世 (徳島大学)
  • [プロデューサー] 徳島大学A.BA座
  • [Special Thanks] 高橋久美子(作家・作詞家)・平本正宏(作曲家)
  • [脚本] KaDang(徳島大学A.BA座)
  • [絵コンテ] 河野あさな(徳島大学A.BA座)
  • [監督] 河野あさな・河野太樹(徳島大学A.BA座)